犬の骨折を知る
骨折のほとんどは何らかの事故から
骨折の症状
骨折をすると人間と一緒で骨折のある個所の痛みや、腫れが起こり四肢の変形や機能障害、歩行の異常などいくつかの症状が重なって現れます。
折れた骨が筋肉や皮膚を突き破っって外に出ているものを「開放骨折」と呼びます。
程度の差はありますが、外界に触れているので、細菌に感染する機会が多くなります。
これに対して、骨折した部分を皮膚が完全に覆っている場合を「閉鎖骨折」と呼びます。
骨折の原因
多くの場合の骨折は、交通事故や高い所からの転落などで、骨に大きな力が働いて起こります。
また、食事や、ホルモン異常などの為に骨がもろくなっている時や、骨に腫瘍がある時などでは、普通はおれない弱い力が加わっただけでも、骨にひびが入ったり、折れたりすることがあります。
その他の原因としては訓練などによる疲労骨折などがあげられます。
骨折の予防・診断・治療
診断
骨折を起こしていると思われるところを中心に、2方向からX線検査を行い、骨折の状態を確認して診断します。
治療
骨折の治療は普通、折れた骨を元の形の整え、それを固定するものです。
骨をもとにもどす方法としては皮膚を切らずにその上から固定する方法と、皮膚を切り骨を露出させて、骨を直接固定する方法があります。
治療の方法は、犬の年齢や、性別、処理後の世話などを含めて獣医師と相談して決めてください。
骨折の固定法
骨折の治療は主に、折れた骨を整復してから動かないように固定をして、自然な治癒を待つことにあります。
骨の固定の方法が重要となります。
外固定法
包帯やキャスト(ギブス)で固定をする方法。この固定法は皮膚を切ることもないので細菌などの感染も少なく済みます。
しかし、固定するという部分では不十分で、犬の性格もおとなしくしていられる犬に向きます。
創外固定法
折れた骨の箇所ごとに皮膚の上から複数のピンを差し込み、それらを常温などで固まるアクリル樹脂などを用いてしっかりと固定する方法です。
内固定法
手術により直接骨をつないで固定する方法です。
ワイヤーを骨に巻く方法や、骨髄にピンを入れて固定する方法、特殊な金属板とねじを用いて固定する方法などがあります。
この方法を行うことにより骨と骨が綺麗に治癒し回復が早いことです。
しかし、手術における獣医師の十分な経験と、知識が求められます。